決定打はコレだ!COD(化学的酸素要求量)は同じ濃度で終了させるべし!

皆さん、今回は「✰ COD(化学的酸素要求量)!」についてです。

CODについての私なりの分析結果ですが、「よくこんな手法考え付くよなー(・・;)!」が正直な気持ちです。滴定は滴定でも「逆滴定!」になりますので、なおビックリです。

私にとってCODは、「解った!」と思ったら解っていない、「今度こそ解った!」と思ったら結局解っていないの繰り返しでした。そうです、CODの操作の意味を全く理解出来ていなかったのが原因でした。

皆さんの中にも、こういった経験をされた方がいらっしゃるのではないでしょうか?CODがどういった役目を果たしているのかを理解されている方も復習のつもりで、これから順序通り話を進めていきますので、ご一緒されたらと思います。

1.COD(化学的酸素要求量)って何だ?

【❋ COD(化学的酸素要求量)って凄い奴だ!】
CODとは、河川、湖等の水質汚染度の指標に有機化合物を利用して消費される酸素O2の質量〔mg〕を測定する、というものです。

実験対象となる試料水1.0Lに含有する有機化合物を過マンガン酸カリウムKMnO4によって酸化し、これに必要とされる酸素O2の質量〔mg〕に換算し、算出されるO2の単位を〔mg/L〕として表しています。

自然界ではそれ相当の時間をかけて有機物質がO2によって徐々に酸化されますが、汚染物質となる有機物質は通常O2では酸化されにくく直接酸化出来ない為に、代用として酸化力の強い過マンガン酸カリウムKMnO4によって有機物質を酸化しています。

有機物質に消費されるO2が多いほど水質の汚染度が増幅していきます。これと平衡に水中の微生物が有機物質を分解する為に、より膨大なO2を必要とし、水中のO2濃度が低下減少すると水中の生物の酸素不足に繋がり、自然生態系の破壊までにも影響する事になります。

「❋ この自然生態系の破壊を阻止し、水質汚染度を知る上での必須調査がCODだと言えます!」

改めて、CODって凄い存在ですよね!

因みに、CODの数値〔mg/L〕が大きくなるに連れて水質汚染度が上昇していきます!

2.有機物質酸化に、ヨウ素デンプン滴定が適しない理由!

河川等の試料水に含まれる有機物質を酸化するには過マンガン酸カリウムKMnO4が使用されますが、ヨウ素による滴定ではCODを求める事が出来ないとされています。

ヨウ素滴定はデンプンを指示薬とする、いわゆるヨウ素デンプン滴定ですが、この指示薬であるデンプンそのものが有機物質である為に、対象となる有機物質の量が変動してしまいます。

よってCODには不向きな滴定となり、過マンガン酸カリウムKMnO4を酸化剤としてCODは成立している事が解ります。

因みに、ヨウ素デンプン滴定は過マンガン酸カリウムKMnO4と同様に酸化剤としてヨウ素が存在し機能的には同じ役目を担っています。よって、COD同様にヨウ素デンプン滴定は逆滴定だと言えます!

3.COD〔mg/L〕を求める計算!

ここからは、酸化還元反応を利用しているCOD〔mg/L〕を求める計算について考えてみましょう。

なお、問題は私の方で作成したもので進めていきたいと思います。また、皆さんが理解しやすい様にと、問題はCODの手順に沿って作成してあり、必要以上に計算してある場合もありますので御了承下さい!

【問題!】
COD(化学的酸素要求量)とは、試料水1.0L中の濃度未知の有機物質を酸化還元反応によって酸化し、これに消費した物質量〔mol〕を酸素O2に変換しO2〔mg/L〕を把握する測定である。

ここに、ある水質調査として選定した湖より採取した試料水1.0Lがある。これに硫酸銀Ag2SO4を加え、有機物質同様に還元剤として存在し、かつ求めるCODの数値に誤差を生じさせる不要な塩化物イオンCI^-を次式によって沈殿濾(ろ)過させ除去処理済みとした。

Ag2SO4 + 2CI^- ⇆ 2AgCI↓ + SO4^2-

塩化銀AgCIを除去後、CODを求めるために下記に示した[1]〜[4]の段階的な試験を行いCODに必須な分析とした。

[1]体積が1.0✕10^-1Lの試料水に過剰量の硫酸H2SO4を加え酸性とした後、4.0✕10^-3〔mol/L〕の過マンガン酸カリウムKMnO4水溶液1.0✕10^-2Lを加え、沸騰水浴中にて30分間十分加熱した。

[2][1]による加熱後、赤紫色を呈した未反応分のKMnO4に、1.0✕10^-2〔mol/L〕の過剰量のシュウ酸ナトリウムNa2C2O4水溶液を1.0✕10^-2L加えると、赤紫色が消滅し無色となった。

[3][1]のKMnO4水溶液で[2]の無色にて存在しているNa2C2O4を滴定したところ、等量点は目視可能な赤紫色に染色し始めた3.48mLであった。

[4]最後の操作として、試料水に代わって純水1.0✕10^-1Lにて[1]〜[3]の操作を同要領で実施し、[3]でまだ含有しているNa2C2O4をKMnO4水溶液0.48mLの滴定を要し終了した。

以下、次の問題に答えよ。

(1)有機物質を含んだ試料水を酸化したKMnO4水溶液の体積を求めよ。また、ブランクテストが実施されなかった場合の体積も答えよ。

(2)このCODに必要とするKMnO4とNa2C2O4の半反応式より反応し合った場合の化学反応式を示せ。また、半反応式よりKMnO4とNa2C2O4の物質量〔mol〕で表せる関係式を示せ。

(3)試料水を酸化したKMnO4の物質量〔mol〕を求めよ。

(4)KMnO4の物質量〔mol〕を酸素O2に換算したO2の物質量〔mol〕を求めよ。

(5)この試料水のCOD〔mg/L〕を求めよ。

【問題の解!】
COD(化学的酸素要求量)とは、試料水1.0L中の濃度未知の有機物質を酸化還元反応によって滴定酸化し、これに消費した酸化剤の物質量〔mol〕を酸素O2に変換する質量O2〔mg/L〕である。

ここに、ある水質調査として選定した湖より採取した試料水1.0Lがある。これに硫酸銀Ag2SO4を加え、有機物質同様に還元剤として存在し、かつ求めるCODの数値に誤差を生じさせる不要な塩化物イオンCI^-を次式によって沈殿濾(ろ)過させ除去処理済みとした。

Ag2SO4 + 2CI^- ⇆ 2AgCI + SO4^2-

塩化銀AgCIを除去後、CODを求めるために下記に示した[1]〜[4]の段階的な試験を行いCODに必須な分析とした。

[1]体積が1.0✕10^-1Lの試料水に過剰量の硫酸H2SO4を加え酸性とした後、4.0✕10^-3〔mol/L〕の過マンガン酸カリウムKMnO4水溶液1.0✕10^-2Lを加え、沸騰水浴中にて30分間十分加熱した。

[2][1]による加熱後、赤紫色を呈した未反応分のKMnO4に、1.0✕10^-2〔mol/L〕の過剰量のシュウ酸ナトリウムNa2C2O4水溶液を1.0✕10^-2Lを加え赤紫色が消滅し無色となった。

[3][1]のKMnO4水溶液で[2]の無色にて存在しているNa2C2O4を滴定したところ、等量点は目視可能な赤紫色に染色し始めた3.48mLであった。

[4]最後の操作として、試料水に代わって純水1.0✕10^-1Lにて[1]〜[3]と同要領で実施し、[3]でまだ含有しているNa2C2O4をKMnO4水溶液0.48mLの滴定を要し終了した。

以下、次の問題に答えよ。

(1)有機物質を含んだ試料水を酸化したKMnO4水溶液の体積を求めよ。また、ブランクテストが実施されなかった場合の体積も答えよ。

[3]で最終的にKMnO4がNa2C2O4を完全に酸化した量は3.48mLです。よって、ブランクテストが実施されなかった場合の体積は3.48mLです。   答.3.48mL

【❋ 着眼点!】
また、この問題では[4]の操作でブランクテストが実施されています。

ブランクテストでKMnO4がNa2C2O4を滴定した量は0.48mLです。ということは、「✰ 対照としている純水に元々有機物質が0.48mL含まれていた!」、という事になります!

よって、ブランクテストを実施した場合のKMnO4水溶液の滴定量は、

3.48mL − 0.48mL = 3.00mL      答.3.00mL

(2)このCODに必要とするKMnO4とNa2C2O4の半反応式より反応し合った場合の化学反応式を示せ。また、半反応式よりKMnO4とNa2C2O4の物質量〔mol〕で表せる関係式を示せ。

KMnO4︰MnO4^- + 8H^+ + 5e^- → Mn^2+  + 4H2O(5価)

Na2C2O4︰C2O4^2- → 2CO2  + 2e^-(2価)

「2 ✕ MnO4^- 、5 ✕ C2O4^2-」 より、

(2MnO4^- + 16H^+ + 10e^- → 2Mn^2+  + 8H2O) + (5C2O4^2- → 10CO2  + 10e^-) = (2MnO4^- + 5C2O4^2- + 16H^+ → 2Mn^2+ + 10CO2 + 8H2O)

答.(2MnO4^- + 5C2O4^2- + 16H^+ → 2Mn^2+ + 10CO2 + 8H2O)

上記化学反応式の2MnO4^-の係数、5C2O4^2-の係数を係数比として表すと、

答.MnO4^-︰C2O4^2-=2︰5 → 5MnO4^-=2C2O4^2-

補足説明
これより、5MnO4^-と2C2O4^2-は全く同じ物質量である事が解ります。半反応式より互いに関係している係数を乗じたくなりますが、

[✕]︰MnO4^-︰C2O4^2-=5︰2 → 2MnO4^-=5C2O4^2-

互いの半反応式を考えますと上記にしがちですが、この様に係数比を使用してしまうと最終的に両方の物質量〔mol〕がおかしくなってしまいますので御注意下さい!

なお、係数比による求め方は次の様に互いの物質量〔mol〕を求める事が可能となります!

「5MnO4^-=2C2O4^2-」より、

MnO4^-〔mol〕=(2/5)C2O4^2-〔mol〕

C2O4^2-〔mol〕=(5/2)MnO4^-〔mol〕

【❋ MnO4^-とC2O4^2-の酸化還元反応の考え方!】

MnO4^-とC2O4^2-の電子e^-の取り合いは次の様にイメージされたらいかがでしょうか!

[1]︰2MnO4^-が硫酸H2SO4の水素イオン16H^+と結合し水8H2Oと、「❁ 強力な酸化剤2Mn^7+」が生成される!

[2]︰2Mn^7+(1つの原子の酸化数︰+7)が、5C2O4^2-の5分子内の10C(1分子のCの酸化数︰+3✕2)原子から10e^-を奪い、2Mn^2+(Mn^2+の酸化数︰+2✕2)と10CO2(Cの酸化数︰+4✕10)が生成される。!

この様に、試料水と純水中でのMnO4^-とC2O4^2-との酸化還元反応では、思い切って考えて頂きますとイメージしやすいのではないでしょうか!

(3)試料水を酸化したKMnO4の物質量〔mol〕を求めよ。

ここでは、KMnO4の物質量〔mol〕を「✰ x〔mol〕」として、xを求める事に問う意味がある問題になっています!

(2)の「5MnO4^-=2C2O4^2-」より、

5✕{(4.0✕10^-3〔mol/L〕✕10〔mL〕/1000〔mL/L〕−x〔mol〕)+(4.0✕10^-3〔mol/L〕✕(3.48−0.48)〔mL〕/1000〔mL/L〕)}=2✕(1.0✕10^-2〔mol/L〕✕10〔mL〕/1000〔mL/L〕)

5{(4.0✕10^-5〔mol〕−x〔mol〕)+1.2✕10^-5〔mol〕}=2(1.0✕10^-4〔mol〕)

4.0✕10^-5〔mol〕−x〔mol〕+1.2✕10^-5〔mol〕=(2.0✕10^-4〔mol〕)/5

4.0✕10^-5〔mol〕−x〔mol〕+1.2✕10^-5〔mol〕=4.0✕10^-5〔mol〕

−x〔mol〕=4.0✕10^-5〔mol〕−4.0✕10^-5〔mol〕−1.2✕10^-5〔mol〕

−x〔mol〕=(4.0−4.0−1.2)✕10^-5〔mol〕

−x〔mol〕=−1.2✕10^-5〔mol〕

x〔mol〕=1.2✕10^-5〔mol〕   答.1.2✕10^-5〔mol〕

『❁ 本来、過マンガン酸カリウムKMnO4のモル濃度〔mol/L〕より、シュウ酸ナトリウムNa2C2O4のモル濃度〔mol/L〕の方が大きい事に着目して下さい!その為に、モル濃度〔mol/L〕が大きい故に2e^-の電子を放出するだけで、5e^-の電子を受け取るKMnO4と同じ物質量〔mol〕になります!』

【❋ 補足説明!】
〔1〕左辺︰4.0✕10^-3〔mol/L〕の過マンガン酸カリウムKMnO4水溶液1.0✕10^-2L(=10〔mL〕)を加えた物質量〔mol〕

4.0✕10^-3〔mol/L〕✕(10〔mL〕/1000〔mL/L〕)=4.0✕10^-5〔mol〕

〔2〕左辺︰有機物質を酸化した過マンガン酸カリウムKMnO4の物質量〔mol〕

x〔mol〕=1.2✕10^-5〔mol〕

〔3〕左辺︰4.0✕10^-3〔mol/L〕の過マンガン酸カリウムKMnO4水溶液で試料水の有機物質を酸化した実際の物質量〔mol〕

4.0✕10^-3〔mol/L〕✕(3.48−0.48)〔mL〕/(1000〔mL/L〕)=1.2✕10^-5〔mol〕

〔4〕右辺︰シュウ酸ナトリウムNa2C2O4水溶液で残存している過マンガン酸カリウムKMnO4を完全に滴定還元した物質量〔mol〕

1.0✕10^-2〔mol/L〕✕(10〔mL〕/1000〔mL/L〕)=1.0✕10^-4〔mol〕

「∴ 係数5✕(〔1〕+〔2〕−〔3〕)=係数2✕〔4〕=2.0✕10^-4〔mol〕」

が成立します。

なお、係数比による計算は、単に左辺と右辺の酸化還元反応で使用された物質量〔mol〕を同じ量として表しているだけです。つまり「✰ CODを求める為の確かめ算!」だと言えます!

決して、KMnO4とNa2C2O4の基となるモル濃度〔mol/L〕自体が変化する事はありませんので御注意下さい!

【❋ 必ず同じモル濃度〔mol/L〕で逆滴定する!ここがCODの最大の見せ場!】
タイトルにもありますが、CODの最大の着眼点が、

『❁ 必ず基となる過マンガン酸カリウムKMnO4水溶液のモル濃度〔mol/L〕(❃ ここでは、4.0✕10^-3〔mol/L〕を指します!)でシュウ酸ナトリウムNa2C2O4を逆滴定する!

この逆滴定した体積(❃ ここでは、3.48〔mL〕/1000〔mL/L〕)から、ブランクテストの体積(❃ ここでは、0.48〔mL〕/1000〔mL/L〕)を差し引いた体積(❃ ここでは、3.00〔mL〕/1000〔mL/L〕)に、基となる過マンガン酸カリウムKMnO4水溶液のモル濃度〔mol/L〕を乗じた物質量〔mol〕が結果、試料水中の有機物質を酸化した過マンガン酸カリウムKMnO4水溶液の物質量〔mol〕と全く同じ物質量〔mol〕になる!』です!つまり、

「〔1〕左辺︰有機物質を酸化した過マンガン酸カリウムKMnO4の物質量〔mol〕︰x〔mol〕=1.2✕10^-5〔mol〕」=「〔2〕左辺︰ブランクテストの体積を利用して、基となるモル濃度︰4.0✕10^-3〔mol/L〕の過マンガン酸カリウムKMnO4水溶液で、ブランクテストの体積を利用して、シュウ酸ナトリウムNa2C2O4を逆滴定した結果が試料水中の有機物質を酸化した実際の物質量〔mol〕︰4.0✕10^-3〔mol/L〕✕(3.48−0.48)〔mL〕/(1000〔mL/L〕)=1.2✕10^-5〔mol〕」

が成立するという事です!

因みにブランクテストが実施されなかった場合には、

『過マンガン酸カリウムKMnO4水溶液で試料水中の有機物質を酸化した物質量〔mol〕=過マンガン酸カリウムKMnO4水溶液でシュウ酸ナトリウムNa2C2O4を逆滴定した物質量〔mol〕』

となります!

長文になってしまいましたが、

『❁ 兎にも角にも、必ず基となる過マンガン酸カリウムKMnO4水溶液のモル濃度〔mol/L〕で、シュウ酸ナトリウムNa2C2O4を逆滴定する操作が、CODの最大の見せ場となります!』

(4)KMnO4の物質量〔mol〕を酸素O2に換算したO2の物質量〔mol〕を求めよ。

酸素O2に換算したO2の物質量〔mol〕を求める考え方は、理解している様で、理解していない現実も否定出来ませんので、ここで100%以上理解して下さい!

O2の半反応式は、

O2 + 4H^+  + 4e^- → 2H2O(4価)

MnO4^-の半反応式は、

MnO4^- + 8H^+ + 5e^- → Mn^2+  + 4H2O(5価)

2半反応式の電子数e^を比較すると、

(MnO4^-︰5e^-)/(O2︰4e^-)=(5/4)=1.25

MnO4^-の方がO2よりe^-を、(5/4)倍=1.25倍多く受け取れる事から、

[1]︰『❁ まず、MnO4^-の物質量〔mol〕をO2の物質量〔mol〕だったらと考えます!』

[2]︰『❁ 次に、MnO4^-の物質量〔mol〕をO2の物質量〔mol〕に換算するには、O2の物質量〔mol〕がMnO4^-の物質量〔mol〕より大きくないと、MnO4^-と同じ電子数を受け取る事が出来ないので、半反応式よりMnO4^-の物質量〔mol〕(✰ 理解しやすい様にO2の物質量〔mol〕だったらと考える事!)を(5/4)倍=1.25倍しO2の物質量〔mol〕に換算します!』

よってO2の物質量〔mol〕は、

1.2✕10^-5〔mol〕✕(5/4) =1.5✕10^-5〔mol〕   答.1.5✕10^-5〔mol〕

(5)この試料水のCOD〔mg/L〕を求めよ。O2=32とする。

COD〔mg/L〕を求める為には、O2の物質量を単位〔mg〕に変換する必要があります。さらに、分母に体積〔L〕が存在しなければなりません。

本来、この問題の試料水の体積は1.0✕10^-1L(=100mL)であり、これからCOD〔mg/L〕を求める為には、1.0Lあたりの試料水の体積にしなければなりません。ですから、

100mL✕10倍=1000mL

の様に10倍するのですが、これでは単位Lが無いために、求める単位が〔mg〕だけになってしまいます。なので、10倍と同じ意味になる様に計算します。

『❁ 10倍=➗0.10L』

となり、これで単位Lが分母に残るので〔mg/L〕として求められます。

次に、O2の質量〔mg〕を求める訳ですが、そのまま計算してしまうと、

O2の物質量〔mol〕✕O2のモル質量︰32〔g/mol〕=O2の質量〔g〕

になってしまい求めるべき単位〔mg〕になりません。ですから、O2のモル質量︰32〔g/mol〕の単位〔g〕を〔mg〕に変換します。

1.0〔g〕=1000〔mg〕=10^3〔mg〕 より、

O2のモル質量︰32〔g/mol〕=O2のモル質量︰32✕1000〔mg/mol〕=O2のモル質量︰32✕10^3〔mg/mol〕

と表す事が出来ますので、これらを用いてCOD〔mg/L〕が求められます!

(O2の物質量︰〔mol〕✕O2のモル質量︰32✕10^3〔mg/mol〕)/(0.10L)

(1.5✕10^-5〔mol〕✕32✕10^3〔mg/mol〕)/(0.10L)=4.8〔mg/L〕  答.4.8〔mg/L〕

「❁ 上記の別解と致しましては次の様な流れになりますが、シュウ酸ナトリウムNa2C2O4のモル濃度〔mol/L〕が提示してある場合には、上記の解の流れに沿った解き方で理解された方がベストだと思われます!」

〔1〕︰試料水中の有機物質をMnO4^-水溶液で酸化した物質量〔mol〕

4.0✕10^-3〔mol/L〕✕(3.48−0.48)〔mL〕/(1000〔mL/L〕)=1.2✕10^-5〔mol〕

〔2〕︰酸素O2をMnO4^-の物質量〔mol〕と同じだと考えた場合(✰ O2=1.2✕10^-5〔mol〕)、半反応式によるMnO4^-の電子e^-がO2のe^-の(5/4)倍である事から、試料水中の有機物質の酸化に要するO2の物質量〔mol〕は、

1.2✕10^-5〔mol〕✕(5/4)=1.5✕10^-5〔mol〕

O2の物質量〔mol〕を質量〔mg〕に換算し、さらにCODは1Lの単位で表す事から、0.10Lの試料水中の有機物質を1Lに換算すると、COD〔mg/L〕は、

(1.5✕10^-5〔mol〕✕32✕10^3〔mg/mol〕)/(0.10L)=4.8〔mg/L〕

答.4.8〔mg/L〕

計算の順序自体は、シュウ酸ナトリウムNa2C2O4のモル濃度〔mol/L〕が提示してある場合と全く同じだと言えますが、MnO4^-とC2O4^2-の半反応式を基に、互いの物質量〔mol〕を一旦合わせる作業が省略される形になりますので、Na2C2O4のモル濃度〔mol/L〕が提示してあるか、いないかの違いをしっかり理解しておきましょう!

4.CODを求める計算の流れ詳細図[1]︰ブランクテストが実施された場合!

ブランクテストが実施される場合、扱う純水も一種の試料水となります。これは、純水中にも有機物質が含まれている事を前提とした操作を実施する事で、より明確な水質のデータが得られるからです!

因みに、CODの操作が実施される前に塩化物イオンCI^-を沈殿濾(ろ)過させ除去処理済みとする操作は、硝酸銀AgNO3によっても可能となります!

AgNO3 + CI^- ⇆ AgCI↓ + NO3^-

〔1〕︰【❋ 試料水中の有機物質の酸化還元反応図!】

〔2〕︰【❋ 純水中の有機物質の酸化還元反応図!】

【❋ ブランクテストが実施された場合!】
『❁〔2〕の、純水の[4]でKMnO4がNa2C2O4を酸化した体積は0.48〔mL〕であり、この体積の量が本来純水中に含まれていた有機物質という事になります!』

『❁〔1〕の試料水の[4]では、等量点に達した瞬間Na2C2O4が完全に無くなり、KMnO4の薄い赤紫色が試料水中に存在し始めます。後はKMnO4特有の赤紫色が徐々に拡散し、完全に滴定酸化終了となり、酸化に要したKMnO4の体積は、3.48〔mL〕になります!

また、[1]の試料水中の有機物質の物質量〔mol〕は、純水の最終段階[4]のKMnO4水溶液でNa2C2O4の酸化に要したKMnO4の滴定酸化量0.48〔mL〕(❁ 元々、純水に含まれていた有機物質!)を3.48〔mL〕から差し引いて求めた物質量〔mol〕と全く同じになります!』

『✰ 試料水中の有機物質をKMnO4水溶液で滴定酸化した物質量〔mol〕』=『✰ 4.0✕10^-3〔mol/L〕✕(3.48−0.48)〔mL〕/(1000〔mL/L〕)=1.2✕10^-5〔mol〕』

補足説明
〔1〕と〔2〕の、「❁ [3]と[4]」の操作が何故、理に適っているのかイメージしてみましょう!

水質汚染度が高い程試料水は汚染され濁っています。[3]の操作で赤紫色のMnO4^-をNa2C2O4により滴定還元していくと、無色透明のMn^2+に変化する瞬間があります。

試料水が汚染され濁っていますと人間の目では、この瞬間が非常に判断しづらい為に、過剰なNa2C2O4によって完全に無色透明と色別出来る状態にします。

[4]では、[3]で無色透明なNa2C2O4とMn^2+が存在しています。このNa2C2O4の方をMnO4^-によって徐々に滴定酸化していくと、完全に滴定酸化終了する瞬間に赤紫色のMnO4^-を目に捉え、等量点を色別出来ます。

『❁ これは汚染された試料水でも人間側の目から考えると、無色透明から赤紫色に変化する瞬間の方が、赤紫色から無色透明に変化する瞬間よりも断然色別出来、滴定の終了点がハッキリと等量点として認識可能な為です!』

CODは、この様な繊細な部分まで考えられていますので、改めてCODって凄い奴ですね!

4−1.CODを求める計算の流れ詳細図[2]︰ブランクテストが実施されなかった場合!

〔1〕︰【❋ 試料水中の有機物質の酸化還元反応図!】

【❋ ブランクテストが実施されなかった場合!】
ブランクテストが実施されなかった場合、元々純水に含まれる有機物質を考慮しなくてもいいわけですから、上図[4]のKMnO4水溶液で逆滴定した体積3.48〔mL〕をそのまま使用して、

『✰ [4]のKMnO4水溶液でNa2C2O4に体積3.48〔mL〕を要し滴定酸化した物質量〔mol〕』=『✰ 4.0✕10^-3〔mol/L〕✕3.48〔mL〕/(1000〔mL/L〕)=1.4✕10^-5〔mol〕』=『✰ [1]の試料水中の有機物質をKMnO4水溶液で過剰滴定酸化した物質量〔mol〕』

の様な関係性が成立しますが、試料水中の有機物質に消費するCODに正確さを求めるのであれば、やはりブランクテストを実施した方が水質の状態を、より把握出来る(✰ 水中の微生物が要する酸素O2の量を正確に把握出来る!)事になります!

今回は、COD(化学的酸素要求量)について進めて参りましたが、CODの流れ図に基づいて考えて頂きますと、ハッキリとした全体像が観えてくるはずですので、今一度御覧下さい!

まずは逆滴定の意味を理解されると問題文の意味も理解出来、解きやすくなると思われますが、皆さん理解出来たのではないでしょうか!

酸化還元反応を利用した滴定にはCOD以外にも在りますが、コレも改めて別記事にて紹介したいと思います。

それでは今回はこの辺で、See You !