前代未聞!?弱酸のpH & pOHを制覇する術(すべ)、此所に在り!

今回からいよいよ、pHまたはpOHを求めるために別記事でも取り上げました、常用対数、累乗根等基礎となるものと公式を交えながら話を進めていこうと思います。また別記事で記述しました様に、私は私なりの独自のやり方で弱酸、弱塩基、塩の加水分解のpHまたはpOHを求める様にしています。

このやり方というのは、決して皆さんに強要するものではなく、私自身が「全体像が見えやすい!」のではないかと感じているものとして紹介致しますので、お気軽にお付き合いお願い致します。

特に、pH & pOHの計算式は、累乗根として2乗根がベースになっており、この辺りに関連性のある解の公式や累乗根等も別記事として取り扱っておりますので、宜しかったらそちらの方も御参照下さい。それではスタートです!

1.弱酸水溶液中の電離平衡

電解質の中でも弱電解質と呼ばれ水素イオン:H^+を生じる弱酸は、酢酸CH3COOH(1価)、シュウ酸(COOH)2(2価=H2C2O4)、炭酸H2CO3(2価)、硫化水素H2S(2価)、リン酸H3PO4(3価)などがあって、それぞれ価数(1~3価)が異なるためにH^+を生じる価数も異なります(弱塩基の価数である水酸化物イオン:OH^-の場合も全く同じです)。

2価以上の価数の場合、多価の酸・多価の塩基と呼ばれていますが、両者共に2価以上からH^+またはOH^-を放出する場合には、1価よりかなり電離しにくくなっていきます(※ 1~3段階に分けて多段階電離する割合は、1価≫2価≫3価の様に1価として電離する割合が大きいです!)。中でも価数の多い3価の弱酸であるリン酸の場合、第1電離が他の弱酸と比べ少々大きいために、強酸と弱酸との中間的な電解質とも言えます。

ここからは多価の酸・塩基の基本ともなるべき1価の弱酸:酢酸CH3COOHの電離平衡というものについて考えていきましょう。酢酸CH3COOHは水溶液中で可逆反応(右方向または左方向の両方向に起こる反応で、※ こちらの都合で申し訳ありませんが、記事中では矢印⇔で表す事にします)の状態にあります。

弱酸だけにH^+をあまり放出しない事から、弱電解質である酢酸CH3COOHが電離し右方向に反応が進み、酢酸イオンCH3COO^-とH^+を生じると、すぐ左方向へと元の酢酸CH3COOHに戻るといった平衡が繰り返され、濃度、温度等によって示すpHは異なりますが、最終的にはそれぞれのpHへと安定していきます。これが「電離平衡!」ですが、酢酸の場合、この電離平衡による化学反応式が、左辺の酢酸に戻ろうとする左方向へと大きく偏っています!

酢酸CH3COOHの電離平衡

[1]CH3COOH + H2O ⇔ CH3COO^- + H3O^+ (※ 両辺の水:H2Oを互いに消去すると!)

[2]CH3COOH ⇔ CH3COO^- + H^+ (※ 両辺の水:H2Oが省略された化学反応式となり、一般的にH^+をあまり生じない左方向へと大きく偏った電離平衡が成立する!)

一般的には[2]の様に水素イオン:H^+が生じ水:H2Oが省略化されますが、実際には[1]のオキソニウムイオン:H3O^+(※ H2Oの酸素原子:Oが元々所有する2つの電子が対になっている非共有電子対にH^+が配位結合したもの!)が生じますので、「オキソニウムイオン:H3O^+と水素イオン:H^+の両方を常に意識!」されておいた方がいいと思います!

さて、酢酸CH3COOHが電離し(酢酸イオン:CH3COO^-と水素イオン:H^+に分かれ)て、ある平衡状態に落ち着きpHが安定化されるまでの流れと同時に、酢酸の電離をイメージするものとして次の様な画像を用意致しました。皆さんそれぞれイメージの仕方が違うと思いますが、こちらの画像の方でも宜しかったらイメージして試て下さい。

 【※ 酢酸CH3COOH水溶液中の電離平衡によるpH安定化までのイメージ(※ 極端ですが、A、B、Cの3つの酢酸分子が水溶液中に存在しているものとします)!】
電離平衡の考え方
 上記の様に酢酸の電離平衡では、ある特定の酢酸分子CH3COOHだけが電離して酢酸イオンCH3COO^-を生成したり、再び元の酢酸分子CH3COOHに戻るのではなく、他の酢酸分子もまた可逆反応を繰り返す事によって、最終的にあるpHに落ち着き安定化する(弱塩基であるアンモニア:NH3等の場合も同じ様な可逆反応による電離平衡が生じます)、という様なイメージ(弱塩基であるアンモニア:NH3等の場合も同じ様なイメージ)をされてはいかがでしょうか?

2.電離度αと電離定数Kaの関連性 & 重要性

ここからは、本題である弱酸のpHを求めるために必要な、「※ 定番とも言える、電離度αと電離定数Ka!」より、まずは電離度αから考えてみましょう。

電解質と呼ばれる酢酸の様に、水に溶けて陽イオン:H^+と陰イオン:CH3COO^-に分離する事を電離と言い、この電離した電解質が水中でどのくらいの割合で存在しているかを表した数値が「※ 電離度α!」です。単位は物質量:1.0molを基準としたもので次の様に求める事が出来ます。

電離度αの求め方
「※ 電離度α=水中で電離した電解質の物質量〔mol〕/水中に溶けた電解質全ての物質量〔mol〕」

例として、水中での電解質の物質量1.0〔mol〕から電離した電解質の物質量を0.010〔mol〕とした場合、「電離度α=0.010〔mol〕/1.0〔mol〕(※ 分子と分母のmolを互いに消去し合うと)=0.010」、と求められます。

この様に、電離度αは電解質が水溶液中でどの位の水素イオン:H^+または、水酸化物イオン:OH^-が解離されるかを最高値である1(H^+またはOH^-が全て電離した場合をMAX値1とする!)を基準としたものです。強酸・強塩基はα≒1(ほぼ全解離するためαは1と変わらない)、これに比べ弱酸・弱塩基は極僅かに解離するためα≪1(αは1より遥かに小さい)である事から、電離度αは「※ 0<α≦1」と表せます。

なお、強酸である硝酸HNO3、硫酸H2SO4、塩酸HCl等は電離度α≒1であるため計算等はしやすいと思います。

これに対し、弱酸関係の酢酸CH3COOH等の電離度α(*弱塩基の電離度αも同様とします!)を計算として使用する場合には、

[1.]「※ モル濃度:c〔mol/L〕が大きい場合には、電離度αを0.010程度と小さい事から、このαを「0」として考え無視出来る計算!」

[2.]「※ 電離度αを「0」として考えてはならない、つまりαを無視出来ない計算!」

とに分かれた計算になります。よってどうしても電離度αに基準を設ける必要があり、これを「※ 電離度α:0.05を基準!」とし、モル濃度:c〔mol/L〕の大小や温度等によってαが変化するために、

[1.]α<0.05 と、[2.]α≧0.05、の2通りの範囲から弱酸(*弱塩基も同様とします!)のpH等を求めていく事になります! 

計算方法がそれぞれ少々異なって来る事になりますが、まずは弱酸の電離平衡による各モル濃度〔mol/L〕の変化を観察しながら、電離度αと電離定数kaの関連性について考えていきましょう。

2-1.弱酸(酢酸CH3COOH)の電離平衡による電離定数Kaの表し方

酢酸のモル濃度:0.10〔mol/L〕、電離度α:0.010([1.]の、α<0.05)に対応した、各反応時のそれぞれのモル濃度〔mol/L〕の変化に注目して観ていきましょう!
※ (2)のH2Oも実際にはCH3COOH同様「-cα」として減少しますが、計算等と混同しない様にと、あえて省略致しました!

上記画像(※ 電離平衡が理解しやすい様に、[1.]のα<0.05の場合をモデルとしています!)の弱酸の酢酸CH3COOHの電離平衡を分数の形として基準に考えると、分母に化学反応式の左辺である酢酸CH3COOHを、分子に酢酸から電離した化学反応式の右辺である酢酸イオンCH3COO^-と、水素イオンH^+(あえてオキソニウムイオンH3O^+として記述しています)を乗じたものとして表し、「※ この分数式をある状態(濃度、温度など)における定数として扱うものが電離定数Ka!」になります。

また、[2.]のα≧0.05の場合による電離平衡は[1.]のα<0.05に比べ、真逆的な関係にあり、モル濃度:c〔mol/L〕が小さく、αは大きいために、水素イオン:H^+が生成する右方向へと偏る事になりますが、電離平衡の考え方は[1.]のα<0.05と全く同じと御理解下さい。

またこの[1.]と[2.]の2つのαの電離平衡において、皆さんに最も押さえて頂きたいポイントが(1)(2)(3)の左辺の部分であり、つまりこういう事を表しています。

「※ H^+電離後のCHзCOOHのモル濃度〔mol/L〕」=「(1)-(2)=(3)」=「c-cα=c(1-α)」=「0.10-0.0010=0.099〔mol/L〕」

この事から、「※ 電離後の酢酸CH3COOHのモル濃度:c(1-α)=0.099〔mol/L〕であり、電離前の酢酸CH3COOHのモル濃度:0.10〔mol/L〕とあまり変わらない! ∴ 0.099〔mol/L〕≒0.10〔mol/L〕」とみなせます。

またc(1-α)内の電離度α:0.010も、ほぼ電離していない状態である事から、α≒0に近い:1-α≒1と近似出来る事より、後程これをあえて「※ c(1-0)=c」 と表わし、それぞれの値を求める前提として使用しています!

以上の事から大まかですが、電離度α=0.010~0.040位までは、α=0とみなす(近似出来る=0と変わらない!)事が可能であり、さらにこれらの値は全てα<0.05であるため、Ka=cα^2の公式が成立する事が理解出来ます! 

次に、α<0.05の場合における関連したものをまとめてみます。

2-2.電離定数Ka〔mol/L〕、モル濃度c〔mol/L〕、電離度α、水素イオン濃度H^+〔mol/L〕の求め方!

弱酸に関連する主な公式
「※ 電離定数Ka〔mol/L〕」:Ka=(cα×cα)/c(1-α)から、1-α≒1より、☆α=0として考えて、

Ka=(cα×cα)/c(1-0)=cα^2      ∴Ka=cα^2

「※ モル濃度c〔mol/L〕」:Ka=cα^2から、cα^2=Kaより、

c=(Ka/α^2)      ∴c=(Ka/α^2)

「※ 電離度α 」:Ka=cα^2から、cα^2=Kaより、α^2=(Ka/c)として、両辺を(1/2)乗すると、

α^2×^(1/2)=(Ka/c)^(1/2)     ∴ α=√(Ka/c)

「※ 水素イオン濃度:H^+〔mol/L〕(* 3つの[H^+]の求め方が存在する!)」

(1.)[H^+]=cα

(2.)[H^+]=cαに、α=√(Ka/c)を代入すると、

[H^+]=☆c×√(Ka/c)(=α)=√cKa    ∴[H^+]=√cKa

(3.)「※ 水のイオン積:[H^+] × [OH^-] = Kw =1.0×10^(-14)〔(mol/L)^2〕 」より、

[H^+]=Kw/[OH^-]

「※ 水酸化物イオン濃度OH^-〔mol/L〕([H^+]と、水のイオン積:Kwより)」

[OH^-]=Kw/[H^+]

「※ pH(水素イオン指数) 」

pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[cα]=-log(10)[√cKa]

「※ pOH(水酸化物イオン指数) 」

pOH=-log(10)[OH^-]

「※ pH + pOH =14 ⇔ ※ pH + pOH = pKw 」

【※ (2.)の公式について、☆cを√(Ka/c)の√に合わすために、指数:(1/2)乗を用いて「c^(1/2)=√c」にしてしまうと「c^(1/2)=√c≠c」になってしまうため、この場合2乗根を利用し「cを√c^2=√(c×c)=c」として用いて、

[H^+]=cα=c×√(Ka/c)(=α)=√c^2×√(Ka/c)=√(c^2×Ka)/√c=√cKa  の様に求めています!】

【※ 以前にも申し上げました様に、弱酸のpHを求めるだけでも、上記の様に多くの公式等が必要となります。これらの公式を1つ1つ理解しながら問題を解くとなると、結構頭の中で整理仕切れないのではないでしょうか?

そこで私の場合、私なりのあるある的な公式として全くの変形式みたいなもので解くようにしています。ややこしい塩の加水分解も似たようなあるある公式によって解くようにしており、これが弱酸・弱塩基と同様に加水分解に良く対応してくれると思っています。

これは私自身もですが、皆さんが公式を出来るだけ「※ 一気にまとめて頭の中に描ける様に!」と思い仕上げたものです。単純で役に立つかは解りませんが、あえて記述してみますので、宜しかったら目を通して頂ければと思います。

また公式的内では通常c(1-α)と表していますが、あえて※c(1-0)=cとします。それでは幾つかの問題文にこれを対応させながら一緒にやっていきましょう!】

3.[1.]電離度α<0.05における弱酸のpHの求め方

電離度α<0.05と、条件を扱った基本的な解き方

下記の様な問題例文に条件として存在するlog(10)[2.0]=0.30、log(10)[3.0]=0.48等は、必ず使用する事として扱っていきます(※ 問題によっては、条件を全て使用しなくても良い問題も存在する可能性も否定出来ませんので、その都度御対応して頂く事になりますが、まずは条件を全て使用するノウハウを身に付けておかれた方が応用力が増すかと思われます)!

重要な事は、「※ 一番最初にやるべき事として、電離度αが必ず、α<0.05(αが0.05の値より小さい)の範囲内であるかどうかを確認して下さい!」

皆さん宜しかったら、上画像の変形式と称するものをしっかり理解して頂いた後、この変形式を一気に頭の中にインプットしてもらい、それから下記の問題文と照合しながら少しずつ確実に確認して問いて試て下さい!

下記の問題文は、変形式に慣れて頂いた上、pHを求めるまでの流れを理解してもらいます様に、通常問題文とされない様なものとして必要以上に作成してある場合もあったり、または計算式中で( )の中に( )を用いた計算がしてある場合もあり、少々見辛く戸惑われるかもしれませんが御了承下さい!

また変形式を用いた場合に、おおよそのpHを求めるまでの流れを理解して頂くために、同じ問題文の中で、※ あえて同じ質問で複数回の回答を求めてある場合もあります。そのため計算上僅かですが、解答に誤差が生じる場合もあったり、有効数字3桁を使用している場合もありますので、そこの所も流れを掴むという意味を含んでいる事として御理解下さい!また、(1)の電離定数Kaの分母の部分は通常c(1-α)ですが、あえてc(1-0)で示しています!

〔問1.〕0.10mol/Lの酢酸CH3COOH水溶液の各問いについて答えよ。ただし、酢酸の電離度αを1.3×10^(-2)、√1.7=1.3、log(10)[1.3]=0.11とする。

(1.)この酢酸水溶液の電離定数Kaを小数第1位(小数第2位は切り上げ)として求めよ。

「※ まず、一番最初に確認作業を必要とするための電離度α=0.013(1.3×10^(-2))がすでに条件として与えられており、α<0.05を満たしている事に注目します!以下の問題文も、まず最初にα<0.05を満たしているかどうかの確認作業から始めて下さい!次に電離定数Kaを求めるために、変形式と照らし合わせると、変形式(1)のKa=cα^2より電離定数Kaを求める事が理解出来ます!」

Ka=cα^2=0.10×(1.3×10^(-2))^2=0.10×1.69×10^(-4)=1.69×10^(-5)   答.Ka=1.7×10^(-5)〔mol/L〕

※ ちなみに、電離度αは変形式(1)のα=√(Ka/c)より条件:√1.7=1.3を代入すると、

α=√(1.7×10^(-5)/0.10) =√(1.7×10^(-5)/10^(-1))=√(1.7×10^(-4))=1.3×10^(-2)  と求められます。

(2.)この酢酸水溶液のpHを有効数字2桁で求めよ。

pHを求めるためには水素イオン濃度[H^+]が必要であり、1つ目の条件:√1.7=1.3を用いるために、変形式(2)の[H^+]=√cKaによって求められます。

pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[√cKa]=-log(10)[√(0.10×1.7×10^(-5))]=-log(10)[√(10^(-1)×1.7×10^(-5))]=-log(10)[√(1.7×(10^(-3))^2)]=-log(10)[1.3×10^(-3)]

次に、2つ目の条件:log(10)[1.3]=0.11より、

pH=-log(10)[1.3×10^(-3)]=-(log(10)[1.3]+log(10)[10^(-3)])=-(0.11-3)=-(-2.89)=2.89  答.pH=2.9

【※ ここがポイント!:変形式(2)の、[H^+]=cαでは2つの条件を満たす事が出来ないために使用不可能になります!

[H^+]=cα=0.10×0.013=1.3×10^(-3)〔mol/L〕となり、

pH=-log(10)[1.3×10^(-3)]=-(log(10)[1.3]+log(10)[10^(-3)])=-(0.11-3)=2.89  答.pH=2.9

この様に、pHの答は全く同じになりますが、1つ目の条件:√1.7=1.3を、式中に代入する場所が無いために使用出来ない事が理解出来、2つ目の条件:log(10)[1.3]=0.11しか代入出来ない事も理解出来ます!よって、これが[H^+]=√cKaによりpHを求めた理由になります!】

〔問2.〕プロピオン酸C2H5COOHの電離度が1.20×10^(-2)であるプロピオン酸水溶液のモル濃度〔mol/L〕と、pHを求めよ。ただし、電離定数Ka=1.44×10^(-5)mol/L、√1.44=1.20、log(10)[1.20]=0.08とする。

(1.)α<0.05より、変形式(1)のKa=cα^2より、モル濃度〔mol/L〕は、

c=Ka/α^2=(1.44×10^(-5))/(1.20×10^(-2))^2=(1.44×10^(-5))/(1.44×10^(-4))=10^(-1)=0.10   答.c=0.10〔mol/L〕

(2.)変形式(2)より、まず、条件:√1.44=1.20を用いると、

[H^+]=√cKa=√(0.10×1.44×10^(-5))=√(10^(-1)×1.44×10^(-5))=√(1.44×10^(-6))=1.20×10^(-3)〔mol/L〕

次に、条件:log(10)[1.20]=0.08より、

pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[√cKa]=-log(10)[1.20×10^(-3)]=-(log(10)[1.20]+log(10)[10^(-3)])= -(0.08-3)=2.92  答.pH=2.92

〔問3.〕0.20mol/Lの酢酸水溶液の酢酸の電離定数Kaを2.0×10^(-5)mol/Lとしたときの、電離度α、pHを求めよ。ただし、log(10)[2.0]=0.30とする。

(1.)まず、変形式(1)より電離度αを求めると、

α=√(Ka/c)=√(2.0×10^(-5)/0.20)=√(2.0×10^(-5)/2.0×10^(-1))=√(1.0×10^(-4))=10^(-2)=0.010  答.α=0.010

(2.)α<0.05を満たしているので、変形式(2)の[H^+]=cαよりpHを求められます。条件:log(10)[2.0]=0.30より、

pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[cα]=-log(10)[0.20×0.010]=-log(10)[2.0×10^(-3)]=-(log(10)[2.0]+log(10)[10^(-3)])=-(0.30-3)=2.7  答.pH=2.7

〔問4.〕0.010mol/Lの酢酸水溶液の電離度α、水素イオン濃度[H^+]、水酸化物イオン濃度[OH^-]を求め、水のイオン積Kwを証明せよ。またpH、pOHも求めよ。ただし、水素イオン濃度[H^+]は2通り求めるものとし、電離定数Ka=4.0×10^(-6)mol/L、√4.0=2.0、水のイオン積Kw=[H^+][OH^-]=1.0×10^(-14)〔(mol/L)^2〕、log(10)[2.0]=0.30とする。

(1.)まず電離度αは変形式(1)、√4.0=2.0より、

α=√(Ka/c)=√(4.0×10^(-6)/0.010)=√(4.0×10^(-6)/10^(-2))=√(4.0×10^(-4))=2.0×10^(-2)    答.α=0.020   ∴ α<0.05成立

(2.)「※ 変形式(2)より、水素イオン濃度[H^+]は求められます。この場合、[H^+]=cα または[H^+]=√cKa の2通りによって求められます!」

[H^+]=cα=0.010×0.020=2.0×10^(-4)〔mol/L〕    答.2.0×10^(-4)〔mol/L〕

[H^+]=√cKa=√(0.010×4.0×10^(-6))=√(4.0×10^(-8))=2.0×10^(-4)〔mol/L〕   答.2.0×10^(-4)〔mol/L〕

(3.) (2.)の[H^+]を用いて、変形式(2)の[H^+]=Kw/[OH^-]より、水酸化物イオン濃度[OH^-]は、

[OH^-]=Kw/[H^+]=(1.0×10^(-14)〔(mol/L)^2〕)/(2.0×10^(-4))〔mol/L〕)=5.0×10^(-11)〔mol/L〕    答.[OH^-]=5.0×10^(-11)〔mol/L〕

(4.)「※ 水のイオン積Kwは、変形式(2):Kw/[OH^-]=[H^+]が、条件:[H^+]×[OH^-]=1.0×10^(-14)〔(mol/L)^2〕と同じ意味である!」事から、(2.)と(3.)を用いて、

Kw=[H^+]×[OH^-]=2.0×10^(-4)×5.0×10^(-11)=1.0×10^(-14)    答.Kw=1.0×10^(-14)〔(mol/L)^2〕

(5.) pHは、(2.)の[H^+]=2.0×10^(-4)〔mol/L〕より、条件:log(10)[2.0]=0.30を用いて、

pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[2.0×10^(-4)]=-(log(10)[2.0]+log(10)[10^(-4)])=-(0.30-4)=3.7    答.pH=3.7

(6.) pOHは変形式(3)のpH+pOH=14より、

pOH=14-pH=14-3.7=10.3  答.pOH=10.3

※ ちなみにpOHは、次の様にも求められます!、(3.)の水酸化物イオン濃度[OH^-]=☆5.0×10^(-11)〔mol/L〕より、

pOH=-log(10)[OH^-]=-log(10)[☆5.0×10^(-11)]=-log(10)[☆(10/2)×10^(-11)]=-(☆log(10)[10]-☆log(10)[2.0]+log(10)[10^(-11)])=-(☆1.0-☆0.30-11)=-(☆0.70-11)=10.3   答.pOH=10.3

この求め方は、「※ 仮に条件として、log(10)[10]=1.0(*この条件に関しては、通常当たり前の事として省略してある場合があります!)、log(10)[2.0]=0.30]だった場合!」に、真数☆5.0を、分数の真数「☆(10/2)=5.0!」として同じ数字で表し、真数☆5.0の分数(10/2)は、logの計算では引き算で表せますので、「(☆log(10)[10]-☆log(10)[2.0])=(☆1.0-☆0.30)=☆0.70」の関係式で表しています!

また、「※ 仮に条件:☆log(10)[5.0]=0.70が与えられている場合には、そのまま条件の値を代入すると求められます!」つまり、

pOH=-log(10)[OH^-]=-log(10)[5.0×10^(-11)]=-(☆log(10)[5.0]+log(10)[10^(-11)])=-(☆0.70-11)=10.3   答.pOH=10.3、となります!

〔問5.〕0.10mol/Lの酢酸水溶液の電離度αとpHを求めよ。ただし、電離定数Ka=2.8×10^(-5)mol/L、√2.8=1.7、log(10)[2.0]=0.30、log(10)[1.4]=0.15とする。

(1.)電離度αは変形式(1)より条件:√2.8=1.7から、

α=√(Ka/c)=√(2.8×10^(-5)/0.10)=√(2.8×10^(-5)/10^(-1))=√(2.8×10^(-4))=1.7×10^(-2)   答.α=0.017   ∴α<0.05成立

(2.)次にpHに必要な条件:log(10)[2.0]=0.30、log(10)[1.4]=0.15を使用出来る変形式(2)の、[H^+]=√cKaの方を用います。

[H^+]=√cKa=√(0.10×2.8×10^(-5))=√(10^(-1)×2.8×10^(-5))=√(2.8×10^(-6))〔mol/L〕

pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[√cKa]=-log(10)[√(☆2.8×10^(-6))]=-log(10)[√(☆2.0×☆1.4)×10^(-6))]=-★(1/2)log(10)[★2.0×★1.4×10^(-6)]=-★(1/2)(log(10)★[2.0]+log(10)★[1.4]+log(10)[10^(-6)])=-★(1/2)(★0.30+★0.15-6)=-★(1/2)(-5.55)=2.77  答.pH=2.8

【※ ここがポイント!:pH=-log(10)[√cKa]=-log(10)[√(☆2.8×10^(-6))]の[√cKa]は、元々指数(1/2)乘を用いた、(cKa)^(1/2)=√cKaを表しています。a^(1/2)=±√aより、負を表す-(マイナス)は必要としないので、正を表す+(プラス)のみを用いるためにこの様に表しています。

よって、条件:log(10)[2.0]=0.30、log(10)[1.4]=0.15を用いるための[√(☆2.8×10^(-6))]は、√2.8の部分を√(☆2.0×☆1.4)にする事によって全く同じ意味を持つ事になる事から、[√(☆2.0×☆1.4×10^(-6))]と表しています。

さらにこれを指数として(1/2)乘すると、[√(☆2.0×☆1.4×10^(-6))]=[2.0×1.4×10^(-6)]^(1/2)となります。この指数(1/2)は、logの前に出せる事から、pH=-★(1/2)log(10)[★2.0×★1.4×10^(-6)]となっています。後は、真数の掛け算はlogの足し算ですので、条件の値を代入するだけです!順追って計算していきますと理解出来ますので、試してみて下さい!】

〔問5-1.〕 〔問5.〕の問題の水素イオン濃度[H^+]=√(2.8×10^(-6))〔mol/L〕を利用し.pOHを求めよ。ただし、√2.8=1.7、log(10)[1.7]=0.23とする。

(1´) まず(2.)で求めた[H^+]=√(2.8×10^(-6))〔mol/L〕を、条件:√2.8=1.7を用いて、[H^+]=√(2.8×10^(-6))=1.7×10^(-3)〔mol/L〕とする。

(2´) 次に、(1´)の[H^+]より条件:log(10)[1.7]=0.23を用いてpHを求めると、

pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[√(2.8×10^(-6)]=-log(10)[1.7×10^(-3)]=-(log(10)[1.7]+log(10)[10^(-3)])=-(0.23-3)=2.77 pH=2.8より、

(3´) 変形式(3)の、pH+pOH=14より、

pOH=14-2.8=11.2  答.pOH=11.2

〔問6.〕0.10mol/Lのギ酸HCOOH水溶液の電離度が4.2×10^(-2)の電離定数Ka、pH、pOHを求めよ。ただし、1.764≒1.8、log(10)[1.8]=0.26とする。

(1.)α<0.05成立しており、変形式(1)と、1.764≒1.8より、電離定数Kaは、

Ka=cα^2=0.10×(4.2×10^(-2))^2=1.764×10^(-4)   答.Ka≒1.8×10^(-4)〔mol/L〕

(2.)変形式(2)より、[H^+]は、

[H^+]=√cKa=√(0.10×1.8×10^(-4))=√(10^(-1)×1.8×10^(-4))=√(1.8×10^(-5))〔mol/L〕

pHは、log(10)[1.8]=0.26より、

pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[√cKa]=-log(10)[√(1.8×10^(-5))]=-(1/2)log(10)[1.8×10^(-5)]=-(1/2)(log(10)[1.8]+log(10)[10^(-5)])=-(1/2)(0.26-5)=-(1/2)(-4.74)=2.37  答.pH=2.4

※〔問5.〕の様に、√(1.8×10^(-5))=(1.8×10^(-5))^(1/2) としてお考えください!

(3.)変形式(3)の、「pH+pOH=14」よりpOHは、

pOH=14-pH=14-2.4=11.6  答.pOH=11.6

〔問7.〕プロピオン酸C2H5COOHの電離定数Kaが2.4×10^(-5)mol/L、電離度αが0.024であるプロピオン酸水溶液のモル濃度〔mol/L〕を小数第3位を切り捨てとして求めよ。さらに、水素イオン濃度[H^+]を2通り求め、求めた2通りの[H^+]を用いて、pHは3通り求めよ。ただし、log(10)[9.6]=0.98(※2回使用する事)、log(10)[2.0]=0.30、log(10)[3.0]=0.48とする。

(1.)α=0.024である事から、α<0.05を満たしており、変形式(1)よりモル濃度c〔mol/L〕は、Ka=cα^2より、

c=(Ka/α^2)=(2.4×10^(-5))/(0.024)^2≒0.0416  答.c=4.0×10^(-2)〔mol/L〕

(2.)1つ目の[H^+]は変形式(2)を用い、

[H^+]=√cKa=√(4.0×10^(-2)×2.4×10^(-5))=√(9.6×10^(-7))   答.[H^+]=√(9.6×10^(-7))〔mol/L〕

(2-1.)2つ目の[H^+]も変形式(2)より、

[H^+]=cα=4.0×10^(-2)×2.4×10^(-2)=9.6×10^(-4)   答.[H^+]=9.6×10^(-4)〔mol/L〕

(3.) 1つ目のpHは、(2.)の[H^+]に対応し、log(10)[9.6]=0.98より、

pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[√cKa]=-log(10)[√(9.6×10^(-7))]=-(1/2)(log(10)[9.6]+log(10)[10^(-7)])=-(1/2)(0.98-7.0)=3.01  答.pH=3.0

(3-1.) 2つ目のpHは、(2-1.)の[H^+]に対応し、同じくlog(10)[9.6]=0.98より、

pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[cα]=-log(10)[9.6×10^(-4)]=-(log(10)[9.6]+log(10)[10^(-4)])=-(0.98-4)=3.02  答.pH=3.0

(3-2.) 3つ目のpHは、同じく(2-1.)の[H^+]に対応し、条件:log(10)[2.0]=0.30、log(10)[3.0]=0.48より、

pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[cα]=-log(10)[☆9.6×10^★(-4)]=-log(10)[☆96×10^★(-5)]=-log(10)[☆2^5×☆3×10^(-5)]=-(☆log(10)[2^5]+☆log(10)[3.0]+log(10)[10^(-5)])=-(☆5log(10)[2.0]+☆log(10)[3.0]+log(10)[10^(-5)])=-(☆5×0.30+☆0.48-5)=3.02   答.pH=3.0

【※ ここがポイント!:(3-2.)の真数[☆9.6×10^★(-4)]の☆9.6を10倍し☆96にし、逆に、10^★(-4)を(1/10)倍にし、10^★(-5)に減らします!次に☆96を指数を利用して細かく分けて、☆96=☆2^5×☆3とします。この☆2^5を、☆log(10)[2^5]で表すと、「 指数:5をlogの前に移動出来、☆5log(10)[2.0]」となります。

結局、真数の掛け算:-log(10)[☆2^5×☆3×10^(-5)]は、logの足し算に出来るため、最終的に「 -(☆5log(10)[2.0]+☆log(10)[3.0]+log(10)[10^(-5)])=-(☆5×0.30+☆0.48-5) =3.02 」という事になります!】

※ もうちょっと補足!: (2.)の水素イオン濃度[H^+]=√(9.6×10^(-7))の条件を、√9.6=3.1、√10^(-7)=10^(-3.5)、log(10)[3.1]=0.49、とした場合のpHは、

pH=-log(10)[H^+]=[√cKa]=-log(10)[√(9.6×10^(-7))]=-log(10)[3.1×10^(-3.5)]=-(log(10)[3.1]+log(10)[10^(-3.5)])=-(0.49-3.5)=3.01  答.3.0

となり、条件によって計算すべき[H^+]も異なってくる事が理解出来ます!

〔問.8〕0.10mol/Lの炭酸H2CO3の電離定数が、K1=4.5×10^(-7)〔mol/L〕、K2=4.7×10^(-11)〔mol/L〕であるH2CO3水溶液の電離度αを求めよ。また、水素イオン濃度[H^+]とpHを、それぞれ2通りずつ求めよ。ただし、√4.5=2.1、log(10)[2.1]=0.32、log(10)[4.5]=0.65とする。

※ 多段階電離と呼ばれる部類の弱酸の炭酸H2CO3は、水素イオン:H^+を2段階によって放出し、各段階で電離平衡の状態にありますが、第1段目電離:K1より第2段目電離:K2は、H^+の放出が極僅かであるために、多段階電離である弱酸水溶液に関しては、第1段目の電離定数:K1のみを用いて、電離度αとpHを求めます(* 硫化水素H2S、リン酸H3PO4等も同じ考え方です!)。

[1]H2CO3 ⇔ HCO3^- +H^+ (K1=4.5×10^(-7)〔mol/L〕)

[2]HCO3^- ⇔ CO3^(2-) + H^+ (K2=4.7×10^(-11)〔mol/L〕)

(1.)電離度αは変形式(1)より、√4.5=2.1と電離定数:K1をKaとして用いると、

α=√(Ka/c)=√(K1/c)=√(4.5×10^(-7)/10^(-1))=√(4.5×10^(-6))=2.1×10^(-3)   答.α=2.1×10^(-3)   ∴ α<0.05成立

(2.)変形式(2)より[H^+]は、

[H^+]=cα=0.10×0.0021=2.1×10^(-4)   答.[H^+]=2.1×10^(-4)〔mol/L〕

(2-1.) log(10)[2.1]=0.32よりpHは、

pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[cα]=-log(10)[2.1×10^(-4)]=-(log(10)[2.1]+log(10)[10^(-4)])=-(0.32-4)=3.68   答.pH=3.7

(3.) (2.)と同じく変形式(2)より、電離定数K1をKaとして用いると[H^+]は、

[H^+]=√cKa==√cK1=√(0.10×4.5×10^(-7))=√(4.5×10^(-8))  答.[H^+]=√(4.5×10^(-8))〔mol/L〕

(3-1.) log(10)[4.5]=0.65よりpHは、

pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[√cKa]=-log(10)[√(4.5×10^(-8))]=-(1/2)(log(10)[4.5]+log(10)[10^(-8)])=-(1/2)(0.65-8)=3.675   答.pH=3.7

〔問.9〕シアン化水素HCNの電離度が7.7×10^(-5)、電離定数Kaが6.0×10^(-10)〔mol/L〕、モル濃度1.0×10^(-1)〔mol/L〕のpHと、pOHをそれぞれ2通りずつ小数第2位までとし求めよ。ただし、log(10)[7.7]=0.89、√6.0=2.4、√10^(-11)=10^(-5.5)、log(10)[2.4]=0.38、log(10)[1.3]=0.11、√2.0=1.4、√3.0=1.7、log(10)[1.0]=0、log(10)[1.4]=0.15、log(10)[1.7]=0.23とする。

(1.)α<0.05成立しており、変形式(2)より、[H^+]=cα=0.10×7.7×10^(-5)=7.7×10^(-6)〔mol/L〕

log(10)[7.7]=0.89より、

pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[cα]=-log(10)[7.7×10^(-6)]=-(log(10)[7.7]+log(10)[10^(-6)])=-(0.89-6)=5.11   答.pH=5.11

(1-1.)変形式(2)より、[H^+]=√cKa=√(0.10×6.0×10^(-10))=√(6.0×10^(-11))〔mol/L〕

√6.0=2.4、√10^(-11)=10^(-5.5)、log(10)[2.4]=0.38より、

pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[√cKa]=-log(10][√(6.0×10^(-11))]=-log(10)[√(6.0×(10^(-5.5))^2)]=-log(10)[2.4×10^(-5.5)]=-(log(10)[2.4]+log(10)[10^(-5.5)])=-(0.38-5.5)=5.12   答.pH=5.12

(2.)[OH^-]は、(1.)の[H^+]を用いて、変形式(2)より、

[OH^-]=Kw/[H^+]=(1.0×10^(-14))/(7.7×10^(-6))=0.13×10^(-8)=1.3×10^(-9)〔mol/L〕

log(10)[1.3]=0.11より、

pOH=-log(10)[OH^-]=-log(10)[1.3×10^(-9)]=-(log(10)[1.3]+log(10)[10^(-9)])=-(0.11-9)=8.89   答.pOH=8.89

「※ 変形式(3):pH+pOH=14より、(1.)のpH=5.11、(2.)のpOH=8.89である事から、

pH+pOH=5.11+8.89=14、が成立します!」

(2-1.) 同じく[OH^-]を、(1-1.)の[H^+]を用いて、変形式(2)より、

[OH^-]=Kw/[H^+]=(1.0×10^(-14))/√(6.0×10^(-11))=(1.0×10^(-14))/√(6.0×(10^(-5.5))^2)=(1.0×10^(-14+5.5))/√(6.0)= (1.0×10^(-8.5))/√(6.0)=(1.0/√(6.0))×10^(-8.5)〔mol/L〕

√2.0=1.4、√3.0=1.7、log(10)[1.0]=0、log(10)[1.4]=0.15、log(10)[1.7]=0.23より、

pOH=-log(10)[OH^-]=-log(10)[(1.0/☆√6.0)×10^(-8.5)]=-log(10)[(1.0/(☆√2.0×☆√3.0))×10^(-8.5)]=-log(10)[1.0÷(☆√2.0×☆√3.0)×10^(-8.5)]=-log(10)[1.0÷(☆1.4×☆1.7)×10^(-8.5)]=-(log(10)[1.0]-(☆log(10)[1.4]+☆log(10)[1.7])+log(10)[10^(-8.5)])=-(0-(☆0.15+☆0.23)-8.5)=-(-(☆0.15+☆0.23)-8.5)=-(-★0.38-★8.5)=8.88   答.pOH=8.88

「※ 変形式(3):pH+pOH=14より、(1-1.)のpH=5.12、(2-1.)のpOH=8.88である事から、

pH+pOH=5.12+8.88=14、が成立します!」

【※ ここが最大ポイント!!:(2-1.)の様に、真数部分が分数(ここでは、1/√6.0)かつ、分数の分子の数が分母の数より小さい場合(ここでは、*1の数字の場合であって、他に1/2、1/4=1/(2×2)=1/(2^2)、1/6=1/(2×3)、1/8=1/(2×2×2)=1/(2^3)、1/9=1/(3×3)=1/(3^2)の様な場合の分数です!)には、最終的に、上記の「-(-★0.38-★8.5)」の様に、「※ 必ず( )の中が、※マイナス(-)で始まり、かつ2つのマイナス(-)が生じる、-(-★A-★B)の形をとります!

※ つまり分数の場合に、分子の数が分母の数より小さい(=分母の数が分子の数より大きい)ときには、全て上記の様な形をとります!】

(3.)仮に、[H^+]=[(1/6)×10^(-10)]の条件:log(10)[2.0]=0.30、log(10)[3.0]=0.48だった場合のpHを例にすると、

pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[(1/6)×10^(-10)]=-log(10)[☆1÷★(2×3)×★10^(-10)]

ここで、「※ logの割り算は引き算に、logの掛け算は足し算に!」の法則(大げさですが)をフルに活用し、

pH=-(☆log(10)[1.0]-★(log(10)[2.0]+log(10)[3.0])+★log(10)[10^(-10)])=-(☆0-★(0.30+0.48)-★10)=-(-★0.78-★10)=10.78、の様になります!

また、最も間違えやすい部分が、「※[◯]: -(0-(0.30+0.48)-10)=10.78 」を、「※[×]: -(0-0.30+0.48-10)=9.82 」としてしまう所です!0.30と0.48は、必ずひとまとめにしてマイナス(-)で括り、「-(0.30+0.48)=-0.78」として計算します!決して(-0.30+0.48=0.18)ではない事を理解しておきましょう!

(3-1.)別解:[H^+]=[(1/6)×10^(-10)]内の「※ 分数(1/6)を、逆数の基本:(1/10)=10^(-1)=0.1から考えると、

「(1/2)=2^(-1)、(1/3)=3^(-1)、(1/4)=4^(-1)、(1/5)=5^(-1)、(1/6)=6^(-1)、(1/7)=7^(-1)、(1/8)=8^(-1)、(1/9)=9^(-1)」等と同じ考え方である事から、

「 (1/6)=6^(-1)=2.0^(-1)×3.0^(-1)=(2.0×3.0)^(-1)≒0.17 」と考える事が出来ます。これより、

pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[(1/6)×10^(-10)]=-log(10)[6.0^(-1)×10^(-10)]=-log(10)[2.0^(-1)×3.0^(-1)×10^(-10)]=-(log(10)[2.0^(-1)]+log(10)[3.0^(-1)]+log(10)[10^(-10)])=-(☆-log(10)[2.0]☆-log(10)[3.0]+log(10)[10^(-10)])=-(☆-0.30-☆0.48-10)=10.78   答.pH=10.78

(3-2.) (3-1.)の補足:「 [◯]:(1/6)=6.0^(-1)=2.0^(-1)×3.0^(-1)=(2.0×3.0)^(-1))≒0.17 」であって、「 [×]:2.0^(-1)×3.0^(-1)=6.0^-(1+1)=6.0^(-2)≒0.028 」ではない事を理解しましょう!

通常使用している「 ★10^(-7)×★10^(-7)=10^-(7+7)=10^(-14) 」の様に、負(マイナス)の指数を表す大元の数字が両方共に「 ★10 」である場合の掛け算は、指数同士足し算出来ますが、「指数の大元となっている数字(※ ここでは2.0と3.0の事!)が*異なる場合には、負(マイナス)の指数同士の足し算自体成立しない事に着目!」しておきましょう!

【※ 総まとめ:問.10】フェノールC6H5OHの濃度が2.4×10^(-3)mol/L、電離度が2.5×10^(-4)の各問いに答えよ。

(1.)フェノールの電離定数Kaを求めよ。

変形式(1):Ka=cα^2より、

Ka=cα^2=2.4×10^(-3)×(0.00025)^2=1.5×10^(-10)    答.Ka=1.5×10^(-10)〔mol/L〕

(2.)与えられているモル濃度〔mol/L〕と、電離度αの値が、それぞれどの様な計算式で求められているか答えよ。

変形式(1):Ka=cα^2より、

c=(Ka/α^2)=(1.5×10^(-10))/(0.00025)^2=2.4×10^(-3)   ∴ c=2.4×10^(-3)〔mol/L〕

α=√Ka/c=√(1.5×10^(-10)/2.4×10^(-3))=2.5×10^(-4)   ∴ α=2.5×10^(-4)

(3.)水素イオン濃度[H^+]をそれぞれ2通りの計算式で求め、それぞれのpHを求めよ。ただし、log(10)[2.0]=0.30、log(10)[3.0]=0.48、√3.6=1.9、√(10^(-13))=10^(-6.5)、log(10)[1.9]=0.28とする。

(3-1.) 変形式(2):[H^+]=cα=2.4×10^(-3)×2.5×10^(-4)=6.0×10^(-7)    答.[H^+]=6.0×10^(-7)〔mol/L〕

pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[cα]=-log(10)[6.0×10^(-7)]=-log(10)[(2.0×3.0)×10^(-7)]=-(log(10)[2.0]+log(10)[3.0]+log(10)[10^(-7)])=-(0.30+0.48-7)=6.22    答.pH=6.2

(3-2.) 変形式:(2):[H^+]=√cKa=√(2.4×10^(-3)×1.5×10^(-10))=√(3.6×10^(-13))   答.[H^+]=√(3.6×10^(-13))〔mol/L〕

pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[√cKa]=-log(10)[√(3.6×10^(-13))]=-log(10)[1.9×10^(-6.5)]=-(log(10)[1.9]+log(10)[10^(-6.5)])=-(0.28-6.5)=6.22    答.pH=6.2

(3-3.) (3-2.)の[H^+]=√(3.6×10^(-13))〔mol/L〕の条件を、log(10)[3.6]=0.56とした場合のpHを求めよ。

pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[√(3.6×10^(-13))]=-(1/2)log(10)[3.6×10^(-13)]=-(1/2)(log(10)[3.6]+log(10)[10^(-13)])=-(1/2)(0.56-13)=6.22    答.pH=6.2

(4.)水酸化物イオン濃度[OH^-]を求めよ。

変形式(2):Kw/[OH^-]=[H^+]より、(3-1.)の[H^+]=6.0×10^(-7)〔mol/L〕を用いて、

[OH^-]=Kw/[H^+]=(1.0×10^(-14))/(6.0×10^(-7))≒1.7×10^(-8)    答.[OH^-]=1.7×10^(-8)〔mol/L〕

(4-1.) フェノールのpOHを求めよ。ただし、log(10)[1.7]=0.23とする。

pOH=-log(10)[OH^-]=-log(10)[1.7×10^(-8)]=-(log(10)[1.7]+log(10)[10^(-8)])=-(0.23-8)=7.77   答.pOH=7.8

(5.) [1]pKwと、[2]水のイオン積Kwが成立する事を証明せよ。

[1]変形式(3):pH+pOH=14(pKw)より、

pH+pOH=6.2+7.8=14   ∴ pKw(14)が成立する。

[2]変形式(2):Kw/[OH^-]=[H^+]より、

Kw=[H^+]×[OH^-]=6.0×10^(-7)×1.7×10^(-8)≒1.0×10^(-14)   ∴ Kw=1.0×10^(-14)〔(mol/L)^2〕が成立する。

4.[2.]電離度α≧0.05における弱酸のpHの求め方

一番最初の確認作業で、電離度α<0.05の範囲内ではない場合には、新たに電離度αを求め直す必要があります(※ 別記事で、解の公式によって電離度αの求め方を記載していますので、宜しければ目を通してみて下さい)!

〔例題〕酢酸CH3COOH水溶液中の酢酸の電離定数Ka=5.0×10^(-7)mol/L、モル濃度c=1.0×10^(-5)mol/Lの、電離度α、水素イオン濃度[H^+]、水酸化物イオン濃度[OH^-]を求め、水のイオン積Kwが成立する事を証明せよ。またこれ等を利用し、pH、pOHも求め、さらにpOHに関しては水酸化物イオン濃度[OH^-]=(1/2)×10^(-8)〔mol/L〕としてのpOHを新たに2通り求めよ。ただし、√5.0=2.2、√20.25=4.5、log(10)[2.0]=0.30(※3回使用する事)、log(10)[10]=1.0、log(10)[1.0]=0、(1/2)=2.0^(-1)とする。

電離度α<0.05を満たさない場合の解の公式によるαの求め方
(1.)【※まず、電離度αが、条件:α<0.05を満たしているかどうか、*前画像の変形式(1)の、α=√(Ka/c)より確かめます。√5.0=2.2より、

α=√(Ka/c)=√(5.0×10^(-7)/1.0×10^(-5))=√(5.0×10^(-2))=2.2×10(-1)=0.22  ∴ α=0.22

「※ α(=0.22)>0.05となり、近似に必要な条件を満たしていない事になります。ですから新たに、解の公式によってαを求め直さなければなりません!」近似による計算の基準α<0.05よりかなり大きいα=0.22という値から、モル濃度が小さければ小さい程、逆に電離度αは大きくなると言えます!

電離度αは、変形式(4)の「 Ka=(cα×cα)/c(1-☆α)=cα^2/(1-α)より、2次方程式:cα^2+Kaα-Ka=0として☆αについての下記の解の公式を仕上げます。条件:√20.25=4.5より、αは次の解の公式によって求められます!」】

α={-Ka+√(Ka^2+4cKa)}/2cより、

α={-5.0×10^(-7)+√((5.0×10^(-7))^2+4×1.0×10^(-5)×5.0×10^(-7))}/(2×1.0×10^(-5))={-5.0×10^(-7)+√(25×10^-(7+7)+20×10^-(5+7))}/(2×10^(-5))={-5.0×10^(-7)+√(25×10^(-14)+20×10^(-12))}/(2×10^(-5))(※ √内を、10^(-12)でまとめると)

={-5.0×10^(-7)+√(25×10^(-2)+20)10^(-12)}/(2×10^(-5))={-5.0×10^(-7)+√(0.25+20)10^(-12)}/(2×10^(-5))

={-5.0×10^(-7)+√(20.25×10^(-12))}/(2×10^(-5))={-5.0×10^(-7)+★4.5×10^☆(-6)}/(2×10^(-5))={-0.5×10^(-6)+4.5×10^(-6)}/(2×10^(-5))

={(-0.5+4.5)×10^(-6)}/(2×10^(-5))=(4.0×10^(-6))/(2×10^(-5))=2.0×10^-(6-5)=2.0×10^(-1)=0.20   答.α=0.20

「※ 解の公式を用いた計算でαを求める場合の重要な事は、まず√内をまとめてから計算し、その後の計算は、√を外してからという事になります。仮に√を無理矢理、先に外してから計算してしまうと、間違った値が生じてしまうので注意して下さい!

αを求める計算は他にもありますが、ここでは条件:√20.25=4.5を用いて計算しています。また☆の指数部分の10^☆(-6)を、10^(-7)に合わせて計算してもαが求められますので、試しにやって頂けたらと思います!」

(2.)【[H^+]は、変形式(5)より求めます。[H^+]は基本:[H^+]=cα 、であると解釈して構いません!何故なら、電離度α≒0(近似のα=0として扱えないから!)と出来ないために、前画像の変形式(2)の√cKaが使えません。よって、「※ 変形式(5)より実際の[H^+]は、[H^+]=cα=Kw/[OH^-]から求め、√cKaは絶対使えない!」事を再確認して下さい!】

[H^+]=cα=1.0×10^(-5)×0.20=2.0×10^(-6)    答.[H^+]=2.0×10^(-6)〔mol/L〕

(3.)[OH^-]は変形式(5)の、「Kw/[H^+]=[OH^-]」より、

[OH^-]=Kw/[H^+]=(1.0×10^(-14)〔(mol/L)^2〕)/(2.0×10^(-6)〔mol/L〕)=5.0×10^(-9)〔mol/L〕    答.[OH^-]=5.0×10^(-9)〔mol/L〕

(4.) 水のイオン積Kwが成立している証明は、変形式(5)の水のイオン積:[H^+]×[OH^-]=Kwより、

答.(2.0×10^(-6)〔mol/L〕)×(5.0×10^(-9)〔mol/L〕)=1.0×10^(-14)〔(mol/L)^2〕  によって成立する!

(5.) log(10)[2.0]=0.30より、pHは(2.)の[H^+]=2.0×10^(-6)〔mol/L〕を利用して、

pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[cα]=-log(10)[2.0×10^(-6)]=-(log(10)[2.0]+log(10)[10^(-6)])=-(0.30-6)=5.7    答.pH=5.7

(6.) pOHは、log(10)[10]=1.0、log(10)[2.0]=0.30より、(3.)の[OH^-]=5.0×10^(-9)〔mol/L〕を利用して、

pOH=-log(10)[OH^-]=-log(10)[5.0×10^(-9)]=-log(10)[☆(10/2)×10^(-9)]=-log(10)[☆(10÷2)×10^(-9)]=-(☆(log(10)[10]-log(10)[2.0])-9)=-(☆(1-0.30)-9)=-(★0.70-9)=8.3    答.pOH=8.3

【※ ここが最重要ポイント!:条件のlog(10)[10]=1.0、log(10)[2.0]=0.30を用いるために、「※ 真数部分5.0」を全く同じ数である「※ 分数:(10/2)=5.0」の様に分子の数が分母の数より大きい分数として考えます。(10/2)は、☆(10÷2)として計算すると、logの割り算は引き算として計算出来ます!

また、※分子の数が分母より大きい場合、最終的には「-(★0.70-9)」の様に、必ず「-(★A-B)」の形をとります!分子の数が分母より小さい場合の形である、〔問9.〕の様な「-(-★A-★B)」との区別を理解して下さい!】

因みに、仮に、条件:log(10)[5.0]=0.70であった場合の計算も答は同じになります!

pOH=-log(10)[OH^-]=-log(10)[5.0×10^(-9)]=-(log(10)[5.0]+log(10)[10^(-9)])=-(★0.70-9)=8.3

(7.) (6.)のpOHとは別なpOHの求め方1つ目は、log(10)[1.0]=0、log(10)[2.0]=0.30より、

pOH=-log(10)[OH^-]=-log(10)[(1/2)×10^(-8)]=-log(10)[(1÷2)×10^(-8)]=-(log(10)[1.0]-log(10)[2.0]-8)=-(0-0.30-8)=8.3    答.pOH=8.3

(7-1.) (6.)のpOHとは別なpOHの求め方2つ目は、(1/2)=2.0^(-1)より、

pOH=-log(10)[OH^-]=-log(10)[(1/2)×10^(-8)]=-log(10)[2.0^☆(-1)×10^(-8)]=-(log(10)[2.0^☆(-1)]+log(10)[10^(-8)])=-(☆-1log(10)[2.0]+log(10)[10^(-8)])=-(☆-log(10)[2.0]+log(10)[10^(-8)])=-(☆-0.30-8)=8.3    答.pOH=8.3

【※ ここも最重要ポイント!:ここでの分数(1/2)は、分数かつ指数である「 (1/10)=10^(-1)=0.1 」を基本に、分数である(1/4)=4^(-1)=0.25、(1/8)=8^(-1)=0.125などと同じ様に、分数(1/2)=2.0^(-1)=0.5としたものです。☆の指数部分☆(-1)はlogの前に移動出来、また省略も出来ますので、上記の様な計算となります。この様な扱い方もあるという事をインプットしてもらえたらと思います!】

「※ つまり、(6.)と(7.)(7-1.)より、

水酸化物イオン濃度[OH^-]=5.0×10^(-9)〔mol/L〕=(1/2)×10^(-8)〔mol/L〕

の両方の濃度は同じという事です!表し方によって、同じ濃度として考えられない様に感じますから、ちょっと戸惑いますよね!」

結局最後に、変形式(6):pH + pOH =14より、5.7+8.3=14が成立している事が理解出来ます!

5.基本的な本来の電離度αの求め方を再確認しよう!

最初の方の見出し2.で記載しました基本的な本来の電離度とも言うべきαについて、もう一度確認し理解しておきましょう。見出し2.の電離度αの公式は長たらしいので、簡単に短くインプットしておくだけで良いと思います。単位は基本、物質量〔mol〕ですので、

電離度α=電離した物質量〔mol〕/全体の物質量〔mol〕

これを、見出し4.[2.]のα≧0.05の場合で考えると、

電離度α=[H^+]/全濃度=(2.0×10^(-6)〔mol/L〕)/(1.0×10^(-5)〔mol/l〕)=0.20   ∴α=0.20 

となります。またモル濃度〔mol/L〕は1Lあたりの物質量〔mol〕と同じ事ですので、分子と分母の単位〔mol/L〕を消去し合うと、α=0.20が導き出されます(※ 宜しければ、この記事の中の問題または他の問題でも、基本となる電離度αを求めるこのやり方で再確認をされたら理解しやすいと思います!この基本となる計算によっても、電離度αの答が必ず出るはずです!)。また、本来の単位:物質量〔mol〕を使用しても、

〔例.〕電離度α=0.01〔mol〕/1〔mol〕=0.01     ∴α=0.01

と、例の様に単位:〔mol〕の分子と分母を消去し合うと電離度αが求められますが、pHまたはpOHを求める場合には、どうしても[H^+]または[OH^-]が必要になり、単位をモル濃度〔mol/L〕として扱いますので、ここらあたりの〔mol〕と〔mol/L〕の関連性につきましても、今一度インプットされたらと思います。

 【※ この様に考えますと、やはり「* 化学は物質量:〔mol〕が基本!」であり、結局物質量に関連性のある電離度αの求め方を理解する事によって、α<0.05の場合でも、α≧0.05の場合でも、電離度αが電離定数Kaとモル濃度c〔mol/L〕との間に大きな関連性が在るという事もまた理解出来ます!】

6.変形式と併用して扱える公式を理解しておこう!

最後に、これもやはり必要かな?というものを、次の重要な公式にモル濃度:〔mol/L〕の例を交えながら問題文を考えてみましょう!

【※ [1.]公式の仕組みの意味を理解し応用化しよう!】
[1][H^+]=2.0×10^(-3)〔mol/L〕(※ log(10)[2.0]=0.30)として考える!

(Ⅰ):pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[2.0×10^(-3)]=2.7

【※ -log(10)[2.0×10^(-3)]=2.7】

(Ⅱ):log(10)[H^+]=-pH=-2.7

【※ log(10)[2.0×10^(-3)]=-2.7】

(Ⅲ):[H^+]=10^(-pH)=10^(-2.7)

【※ [2.0×10^(-3)]=10^(-2.7)】

【※ [2.]公式の仕組みの意味を理解し応用化しよう!】
[2][OH^-]=3.0×10^(-3)〔mol/L〕(※ log(10)[3.0]=0.48)として考える!

(Ⅰ):pOH=-log(10)[OH^-]=-log(10)[3.0×10^(-3)]=2.52

【※ -log(10)[3.0×10^(-3)]=2.52】

(Ⅱ):log(10)[OH^-]=-pOH=-2.52

【※ log(10)[3.0×10^(-3)]=-2.52】

(Ⅲ):[OH^-]=10^(-pOH)=10^(-2.52)

【※ [3.0×10^(-3)]=10^(-2.52)】

〔問.1〕〕pH=3の酢酸水溶液における水素イオン濃度:[H^+]、水酸化物イオン濃度:[OH^-]を求めよ。また、これ等を利用してpOH、pHをそれぞれ2通りずつ求めよ。

[1][H^+]は、pH=-log(10)[H^+]=3より、

【※ ここがポイント!水素イオン濃度:[H^+]=10^(-pH)を利用する!】
[H^+]=☆10^(★-pH)=☆10^(★-3)=1.0×10^(-3)  答.[H^+]=1.0×10^(-3)〔mol/L〕

[2][OH^-]は変形式(2)より、

[OH^-]=Kw/[H^+]=(1.0×10^(-14))/[1.0×10^(-3)]=1.0×10^(-11)  答.[OH^-]=1.0×10^(-11)〔mol/L〕

[3]pOHは、変形式(3)と[2]の[OH^-]=1.0×10^(-11)〔mol/L〕より、

(Ⅰ):pH+pOH=14より、

pOH=14-3=11  答.pOH=11

(Ⅱ):pOH=-log(10)[OH^-]=-log(10)[1.0×10^(-11)]=-(log(10)[1.0]+log(10)[10^(-11)])=-(0-11)=11  答.pOH=11

[4]pHは、[1]の[H^+]=1.0×10^(-3)〔mol/L〕と、[2]の[OH^-]=1.0×10^(-11)〔mol/L〕より、

(Ⅰ):pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[1.0×10^(-3)]=-(log(10)[1.0]+log(10)[10^(-3)])=-(0-3)=3  答.pH=3

(Ⅱ):pH=14+log(10)[OH^-]=14+log(10)[1.0×10^(-11)]=14+(log(10)[1.0]+log(10)[10^(-11)])=14+(0-11)=3  答.pH=3

〔問.2〕pOH=5の酢酸水溶液における水酸化物イオン濃度:[OH^-]、水素イオン濃度:[H^+]を求めよ。また、これ等を利用してpHを3通り求めよ。

[1][OH^-]は、pOH=-log(10)[OH^-]=5より、

【※ ここがポイント!水酸化物イオン濃度:[OH^-]=10^(-pOH)を利用する!】
※[OH^-]=☆10^(★-pOH)=☆10^(★-5)=1.0×10^(-5)  答.[OH^-]=1.0×10^(-5)〔mol/L〕

[2][H^+]は変形式(2)より、

[H^+]=Kw/[OH^-]=(1.0×10^(-14))/[1.0×10^(-5)]=1.0×10^(-9)  答.[H^+]=1.0×10^(-9)〔mol/L〕

[3]pHは変形式(3)と、[2]の[H^+]=1.0×10^(-9)〔mol/L〕、[1]の[OH^-]=1.0×10^(-5)〔mol/L〕より、

(Ⅰ):pH+pOH=14より、

pH=14-pOH=14-5=9  答.pH=9

(Ⅱ):pH=-log(10)[H^+]=-log(10)[1.0×10^(-9)]=-(log(10)[1.0]+log(10)[10^(-9)])=-(0-9) =9  答.pH=9

(Ⅲ):pH=14+log(10)[OH^-]=14+log(10)[1.0×10^(-5)]=14+(log(10)[1.0]+log(10)[10^(-5)])= 14+(0-5)=9  答.pH=9

【※ 変形式では直接扱っていない上記の様な、水素イオン濃度:[H^+]と、水酸化物イオン濃度:[OH^-]によってpHまたはpOHを求める事が可能になります!1つ1つ理解されていきますと、変形式との関連性も理解出来ますので、確実に実行されたらと思います!】

皆さん、弱酸のpH & pOHの流れが解りやすいようにと、私自信で作成し変形式と称したものを少しでも御理解頂けたでしょうか?全体像が理解出来ます様に、出題致しました問題は、通常の問題よりも、1つ1つの問題の中に問いの数を多く設けました。ごちゃごちゃして中々理解しづらかったかもしれませんが、試しにやって頂けたらと思います。

後々、今回の変形式を基にして、難問とされる「※ 塩の加水分解!」にも応用として記事にする予定です。きっと、お役に立てると思います。しばらくお待ち下さい!

〔ちょっとした疑問:何故掛け算?〕最後に、電離定数Kaを表す電離平衡の分子の部分なのですが、何で足し算じゃないの?って思った人いませんでしょうか?最初私は「足し算でもいいじゃないの、何故掛け算?」って、何度も思った事あります。CH3COOHから電離するから分子の部分が、

「 Ka=CH3COO^- ☆+ H^+ /CH3COOH 」の☆印の様に足し算になるのが当たり前だと疑問に思った事があります。なんかありそうな気がしませんか?私だけでしょうか?もしこの様に思われた方、私はあまり深く考えずに、「※ 電離した分子の部分は掛け算じゃないと電離定数Kaの値が成立せず、もし成立しないKaをそのまま用いると、勿論pHの値まで全く違う値になってしまう、だから足し算じゃKaが成立しない、と簡単に割り切って考えた方がいい!」と思います。こんな風に考えたの私だけかもしれませんが、とりあえず記述しときました!

今回もお付き合い下さいまして、誠に有難う御座いました。次回は、弱塩基、塩の加水分解あたりを予定していますので、また宜しければ御覧下さい!それではこの辺で、  See you!